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EP.2「甘口・辛口って何で決まるの?」

EP.2「甘口・辛口って何で決まるの?」

日本酒のすすめ·社会/文化

Shirai
Shirai

2/26·14:14·0回再生

説明

居酒屋のメニューでよく見る「甘口」「辛口」という表記、実は日本酒選びの落とし穴になっていることも。 あかりが「甘口頼んだのに全然甘くなかった」という実体験をもとに、日本酒の味わいの仕組みを紐解く回。

登場人物

  • 田中 誠

    38歳のIT企業勤務男性。日本酒歴10年以上の自称「沼の住人」。知識と経験は豊富だが、熱くなるとマニアックな話に走ってしまう。口調は親しみやすく、ときどきテンションが上がりすぎる。

  • 佐々木 あかり

    28歳のフリーランスWebデザイナー。日本酒初心者で「日本酒=おじさんの飲み物」という先入観を持っていたが、誠に教わりながら少しずつ日本酒の魅力に気づいていく。素直でズバズバ質問するタイプ。

会話テキスト

  • 田中 誠

    こんにちは、日本酒のすすめへようこそ。

  • 佐々木 あかり

    どうも、佐々木あかりです。今日もよろしくお願いします。

  • 田中 誠

    田中誠です。このポッドキャストは、日本酒歴10年以上の僕と

  • 佐々木 あかり

    ビール派の初心者、あかりが、日本酒の世界をゆるくお届けしています。

  • 田中 誠

    第2回ですよ。前回聴いてくれた方、ありがとうございます。

  • 佐々木 あかり

    続けて聴いてくださってる方、うれしいです。わたしも頑張ります。

  • 田中 誠

    あかりさん、先週また居酒屋行ってたんですよね。なんか話したそうな顔してた。

  • 佐々木 あかり

    わかりました?実はちょっとモヤっとした出来事があって。

  • 田中 誠

    聞かせてください。

  • 佐々木 あかり

    メニューに「甘口」って書いてある日本酒を頼んだんですよ。梅酒みたいな甘さを期待して。でも飲んだら全然甘くなくて、「あれ、これ辛口じゃない?」ってなったんです。

  • 田中 誠

    ああ、それ。

  • 佐々木 あかり

    なんか騙された気分というか、そもそもメニューの「甘口」って誰が決めてるの?って思って。

  • 田中 誠

    今日まさにそこをやりましょう。あかりさんのそのモヤモヤ、日本酒あるあるなんですよ。

  • 佐々木 あかり

    あるあるなんですね。じゃあ私だけじゃなかった。

  • 田中 誠

    全然。「甘口頼んだのに甘くなかった」問題、今日で解決しましょう。

  • 佐々木 あかり

    よかった。ずっと気になってたので。

  • 田中 誠

    ちなみにそのとき、何食べてましたか?

  • 佐々木 あかり

    唐揚げです。ちょっと濃いめのタレがかかってるやつ。

  • 田中 誠

    それ、実は結構重要な情報なんですよ。

  • 佐々木 あかり

    え、料理も関係あるんですか。お酒だけの話じゃないんですね。

  • 田中 誠

    大いに関係あります。ただまず、「甘口って何?」というところから整理しましょうか。あかりさん、甘口ってどういうものだと思ってましたか。

  • 佐々木 あかり

    甘い飲み物、ですよね。梅酒とか甘酒みたいな、口に入れた瞬間に甘さがくる感じを想像してました。

  • 田中 誠

    そう思いますよね。でも日本酒の「甘口」は、砂糖みたいな甘さとはちょっと違う話なんです。

  • 佐々木 あかり

    どういうことですか?

  • 田中 誠

    日本酒の甘口って、「甘く感じやすい方向の味わい」という意味で、感じ方の話なんですよ。糖がどっさり入ってるわけじゃない。

  • 佐々木 あかり

    感じ方、か。それ難しいな。

  • 田中 誠

    で、その感じ方に影響するのが、糖の量だけじゃなくて、酸の量とか香りとか、温度とか、そういうものが全部絡んでくる。

  • 佐々木 あかり

    全部絡んでくるってことは、どれか一つが変わると印象が変わるってことですよね。

  • 田中 誠

    そうです。だからラベルに「甘口」って書いてあっても、飲む状況によってズレることが普通に起きる。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ、あのメニューの「甘口」って誰が決めたんですかね。お店の人の感覚?

  • 田中 誠

    正直なところ、お店によってバラバラです。数値を参考にしているところもあれば、感覚で書いているところもある。

  • 佐々木 あかり

    えー、基準がないんですか。それはちょっとひどくないですか。

  • 田中 誠

    統一ルールはないんですよ。だからあかりさんが「甘くない」と感じたのは、あかりさんが間違ってるわけでも、舌がおかしいわけでもない。

  • 佐々木 あかり

    それ聞いてちょっと安心しました。ずっと自分の感覚がおかしいのかなって思ってたので。

  • 田中 誠

    で、さっきの唐揚げの話に戻るんですけど、味が濃い料理と一緒に飲むと、相対的にお酒の甘さが薄れて感じやすくなるんです。

  • 佐々木 あかり

    料理の濃さに負けちゃうってことか。

  • 田中 誠

    そうそう。甘さの印象って、周りの味との比較で変わるので。

  • 佐々木 あかり

    それ、デザインの話に似てますね。白い背景に灰色を置くと薄く見えるけど、黒い背景に同じ灰色を置くと明るく見えるやつ。コントラストの問題。

  • 田中 誠

    まさにそれです。よく言えたな、それ。

  • 佐々木 あかり

    なんか急に腑に落ちました。

  • 田中 誠

    だから「甘口」という表記だけを信じて選ぶのは、ちょっと危ない。

  • 佐々木 あかり

    じゃあどう頼めばよかったんですかね、あのとき。

  • 田中 誠

    「甘口」だけじゃなくて、「甘い香りが好き」とか「スッキリよりもふんわりした感じが好き」みたいに、イメージを一言足すと伝わりやすいですよ。

  • 佐々木 あかり

    「甘口」一言より「ふんわりした感じ」のほうが伝わるって、なんか逆転してる気がする。

  • 田中 誠

    言葉で説明するのが難しいジャンルだからこそ、感覚的な言葉が意外と効くんです。

  • 佐々木 あかり

    「甘口」って言葉、便利すぎて逆に何も伝えてないんですね。ラベルのキャッチコピーみたいな感じで、中身が空っぽみたいな。

  • 田中 誠

    それ、すごくうまい表現ですよ。まさにそういうことです。

  • 佐々木 あかり

    じゃあそもそも、甘辛の基準って何かちゃんとした指標はあるんですか?

  • 田中 誠

    あります。「日本酒度」という数値があって、これが甘辛の目安によく使われます。

  • 佐々木 あかり

    日本酒度、初めて聞きました。

  • 田中 誠

    簡単に言うと、日本酒の比重を数値で表したものです。マイナスの数値ほど甘口寄り、プラスの数値ほど辛口寄りとされています。

  • 佐々木 あかり

    糖が多いと液体が重くなるから、マイナスが甘口、ということですか。なんか理科の授業みたいですね。

  • 田中 誠

    そうです、理科。糖が多いと液体が重くなるので、比重が上がってマイナス方向になる。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ日本酒度を見れば甘辛は一発でわかるってことですか?

  • 田中 誠

    ここが落とし穴なんですよ。

  • 佐々木 あかり

    あ、なんか引っかかる予感がしてきた。

  • 田中 誠

    日本酒度が同じでも、「酸度」という別の数値が違うと、印象がガラッと変わることがあります。

  • 佐々木 あかり

    酸度って、酸っぱさのことですか?

  • 田中 誠

    酸の量の目安です。酸が多いと、味が引き締まってシャープな感じになる。で、同じ日本酒度でも酸が高いと辛く感じやすくなります。

  • 佐々木 あかり

    同じ数値なのに全然違う味になるってこと?

  • 田中 誠

    例えば、日本酒度が同じプラス5でも、酸度1.2のものと1.8のものだと、飲んだ印象がかなり違います。1.2はスッキリ軽快、1.8はキレが強めでぐっと締まった感じ。

  • 佐々木 あかり

    数値は同じなのに、そんなに変わるんですか。それはちょっと混乱する。

  • 田中 誠

    変わります。だから日本酒度だけで甘辛を判断しようとすると、外れることがある。

  • 佐々木 あかり

    日本酒度は目安にはなるけど、完璧じゃないってことですね。

  • 田中 誠

    そうです。さらにやっかいなのが、香りも甘さの感じ方に影響するんですよ。

  • 佐々木 あかり

    香りまで関係あるんですか。変数が多すぎる。

  • 田中 誠

    フルーティーな香りがするお酒、桃とかメロンっぽい香りがするやつがあるんですけど、そういうのは実際の糖の量より甘く感じやすい。

  • 佐々木 あかり

    それ、嗅覚と味覚がごっちゃになる感じですよね。においで甘さを先読みしちゃうというか。

  • 田中 誠

    まさに。日本酒度がプラス2、中庸くらいの数値でも、香りが強くて桃っぽい印象があると、脳が甘さを先読みして甘く感じてしまう。

  • 佐々木 あかり

    脳が騙されてるってことですよね。なんか、パッケージがかわいいお菓子を食べると美味しく感じるみたいな話に似てる気がする。

  • 田中 誠

    それ近いですよ。視覚や嗅覚が、味の期待値を先に作っちゃうんですよね。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ、辛口でも香りがフルーティーだと甘く感じるってことがある?

  • 田中 誠

    あります。だから「辛口なのに甘く感じる」という現象も普通に起きます。

  • 佐々木 あかり

    うーん、これは数値だけ見ても追いつかないですね。

  • 田中 誠

    そうなんです。で、もう一個よくある誤解があって、「辛口=スッキリ軽い」と思ってる人が多い。

  • 佐々木 あかり

    私もそう思ってました。辛口って、淡白でさらっとした感じかなって。

  • 田中 誠

    辛口でもコクがしっかりあるタイプはあります。旨みや酸がしっかりしていて、飲みごたえがある辛口。

  • 佐々木 あかり

    えっ、それって辛口なんですか。なんかイメージと全然違う。

  • 田中 誠

    軽い・重いという話は、「淡麗」「濃醇」という別の軸なんですよ。淡麗はスッキリ軽め、濃醇はコクがあってしっかり、という方向性。

  • 佐々木 あかり

    甘辛と軽重は別の話なんですね。縦軸と横軸みたいな感じ?

  • 田中 誠

    そのイメージで合ってます。辛口×濃醇、甘口×淡麗、みたいな組み合わせがある。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ「スッキリした辛口が飲みたい」なら「辛口で淡麗」を探せばいいってことですか。

  • 田中 誠

    そうです。お店で聞くなら「辛口で軽めのもの」と言えば伝わりやすい。

  • 佐々木 あかり

    日本酒度と酸度も聞いていいんですかね。なんか聞くの緊張する、専門的な質問って。

  • 田中 誠

    聞いていいですよ。わかる店員さんなら教えてくれるし、わからなくても「軽め?しっかりめ?」だけ聞ければ十分選べます。

  • 佐々木 あかり

    「軽め?しっかりめ?」か。それなら聞きやすいですね。

  • 田中 誠

    ハードルを下げることが大事です。むしろ聞いてくれるお客さんのほうが選びやすいって言う店員さんも多いですよ。

  • 佐々木 あかり

    それ聞いて安心しました。次から勇気を出して聞いてみます。

  • 田中 誠

    ぜひ。あと、もう一個面白い話があって、温度で甘辛の感じ方が変わるんですよ。

  • 佐々木 あかり

    温度?それはちょっと意外かも。同じお酒なのに?

  • 田中 誠

    同じ銘柄でも、冷やして飲むときと温めて飲むときで、印象がかなり変わります。冷酒、10度前後で飲むとスッキリしてシャープな感じ。同じお酒をぬる燗、40度前後にすると、旨みが出てきてふんわり甘く感じやすくなります。

  • 佐々木 あかり

    えー、同じお酒なのに。なんかコーヒーに似てますね。冷めると苦さが際立つっていうやつ。温度で全然別の飲み物みたいになる。

  • 田中 誠

    近いですね。温度が上がると、旨みの成分が感じやすくなるんですよ。だから「辛口だと思ってたのに、燗にしたら甘く感じた」っていうことが普通に起きます。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ初心者はどの温度から試すのがいいですか?

  • 田中 誠

    最初は冷酒がわかりやすいと思います。スッキリしてて飲みやすいし、香りも感じやすい。慣れてきたら同じお酒を常温で飲んで、さらにぬる燗で飲んで、どう変わるか比べてみると面白いですよ。

  • 佐々木 あかり

    それ楽しそう。同じお酒で実験できるってことですよね。お金もそんなにかからないし。

  • 田中 誠

    そうです。それに近い話で、甘口と辛口を同じ席で小さいサイズで2種類頼んで飲み比べるのもすごくいい。

  • 佐々木 あかり

    飲み比べか。それやったことないです。1種類ずつ頼んでたので。

  • 田中 誠

    自分の「甘く感じる」「辛く感じる」センサーって、比べることで初めてわかってくるんですよ。1種類だけ飲んでも、それが甘いのか辛いのか判断しにくい。

  • 佐々木 あかり

    確かに。比較がないと基準がわからないですよね。デザインでも、色を単体で見るより並べたほうが違いがわかるのと同じだ。

  • 田中 誠

    まさに。だから最初のうちは、飲み比べセットがあるお店を選ぶのもおすすめです。

  • 佐々木 あかり

    それいいですね。1杯ずつ頼むより失敗しにくそう。

  • 田中 誠

    あと、料理との相性の話もちょっとしておきたいんですけど、「辛口なら何でも食中酒で正解」と思ってる人も多くて。

  • 佐々木 あかり

    私もそう思ってました。辛口って食事に合うって聞くし。

  • 田中 誠

    辛口が食中酒向きというのは大まかには合ってるんですけど、味の濃い料理には、酸や旨みがしっかりある辛口のほうが合うことが多い。薄い辛口だと料理に負けちゃう。

  • 佐々木 あかり

    じゃあさっきの唐揚げの話に戻ると、スッキリ系よりもちょっとしっかりした旨みのあるお酒のほうがよかったってことですね。

  • 田中 誠

    そうです。で、そのお酒が「甘口」と書いてあっても、唐揚げの濃い味に負けて甘く感じなかった、という可能性もある。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ「甘口」を頼んだのに甘く感じなかったのは、料理の影響もあったかもしれないってことですね。なんか、自分でも知らないうちにいろんな要因に影響されてたんだ。

  • 田中 誠

    甘辛の感じ方って、飲む環境全体で変わるので。日本酒って、思ったより変数が多い。

  • 佐々木 あかり

    繊細というか、場面に敏感なんですね。でもそれって毎回違う体験ができるってことでもありますよね。

  • 田中 誠

    そういうことです。それが面白いところでもあって。

  • 佐々木 あかり

    沼の住人になる理由がわかってきた気がします。

  • 田中 誠

    気づいてしまいましたか。

  • 佐々木 あかり

    今日の話をまとめると、「甘口・辛口」という言葉は便利だけど、日本酒度、酸度、香り、温度の組み合わせで体感がズレやすい、ってことですよね。

  • 田中 誠

    そうです。だから次に居酒屋で日本酒を頼むときは、「甘口」「辛口」だけじゃなくて、「スッキリめが好き」とか「香りは控えめで」とか「軽めで」みたいに一言足してみてください。

  • 佐々木 あかり

    言葉を足すだけで当たりやすくなるなら、やってみる価値ありますね。

  • 田中 誠

    それだけでだいぶ変わります。

  • 佐々木 あかり

    今日、居酒屋でのモヤモヤがだいぶスッキリしました。あの微妙な気持ちがやっと報われた感じ。

  • 田中 誠

    あかりさんの「甘口頼んだのに甘くなかった」という体験、実はめちゃくちゃ良い入口だったと思います。あの体験がなかったら今日の話もなかった。

  • 佐々木 あかり

    じゃあ次は飲み比べと、燗をつけた実験、やってみます。

  • 田中 誠

    ぜひ。報告待ってます。

  • 佐々木 あかり

    次回もよろしくお願いします。

  • 田中 誠

    ということで、今日も聴いていただいてありがとうございました。

  • 佐々木 あかり

    ありがとうございました。

  • 田中 誠

    番組では皆さんのコメントやお便りを募集しています。「こんな日本酒を飲んでみた」とか「居酒屋でこんなことがあった」とか、なんでも歓迎です。概要欄に送り先を載せてますので、ぜひ覗いてみてください。

  • 佐々木 あかり

    あかりと同じように「日本酒よくわからない」って思ってる方、一緒に失敗しながら学んでいきましょう。

  • 田中 誠

    番組のフォローや高評価もしていただけると、すごく励みになります。よろしくお願いします。

  • 佐々木 あかり

    お願いします。

  • 田中 誠

    また次回お会いしましょう。

  • 佐々木 あかり

    またね。

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